不登校になったらまず何をする?
最初の時期に必要なのは、正しい進路選択ではありません。休ませること、記録を残すこと、学校との連絡線を細く保つことです。
このページの要点
- 最初の時期は、登校再開を急ぐより、本人の状態を見ながら休息と相談先の確保を優先する
- 欠席日数・学校とのやり取りは記録しておくと、あとで進路の話をするとき役に立つ
- 担任・スクールカウンセラー・教育支援センターなど、相談先は複数ある
最初にやらなくていいこと
学校に行けなくなった直後は、親も本人も「早く元に戻さなければ」と焦ります。その焦りで動くと、たいてい逆効果になります。最初の1か月にやらなくていいことを先に挙げます。
登校再開の約束をすること。「来週から行こうね」と決めても、行けなかったときに約束を破った形になり、本人の自己評価が下がります。行ける日は行けばいいし、行けない日は行かない。それだけで足ります。
原因を突き止めようとすること。いじめのように明確な原因があることもありますが、本人にも説明できないケースがかなり多いです。「なんで行けないの」と繰り返し聞かれることが、いちばん重い負担になります。
転校や退学をすぐ決めること。環境を変えれば解決すると考えたくなりますが、疲れ切った状態で新しい環境に入っても同じことが起きます。進路の判断は、休んで少し回復してからで間に合います。
最初にやっておくこと
逆に、早いうちにやっておくと後で効くことが3つあります。
休ませる。身体が動かない、朝起きられない、泣く、というのは「怠け」ではなく消耗のサインです。まず休息を優先します。回復の速さは人によって違い、数週間で戻る子もいれば、年単位でかかる子もいます。
生活リズムだけは緩く保つ。学校に行かなくても、起きる時間と食事の時間がある程度決まっていると、あとで動き出すときの土台になります。厳密でなくて構いません。昼夜逆転を完全に固定させないくらいの意識で十分です。
記録を残す。いつから休んでいるか、体調はどうか、学校と何を話したか。これをメモしておくと、進級や転校、出席扱いの相談をするときに役に立ちます。医療機関にかかるなら、診断書や受診記録も取っておきます。
学校との連絡はどこまで必要か
不登校になると、学校との連絡が一番のストレスになることがあります。担任からの電話、プリントの受け取り、家庭訪問。全部に対応しなくていいですが、連絡線を完全に切らないほうが後で楽です。
理由は、学校側にしか動かせないものがあるからです。たとえば、フリースクールや自宅でのオンライン学習を「出席扱い」にする制度は、在籍校の校長判断で使えます。進級や卒業の条件も学校が決めます。連絡が切れていると、こうした制度の相談自体ができなくなります。
現実的なやり方は、連絡の窓口を親に一本化し、「週に1回、こちらから連絡します」のように頻度を決めることです。本人が担任と話すのが負担なら、本人は出なくていいと最初に伝えておきます。
中学校は義務教育なので、出席日数に関係なく卒業できます。高校は出席日数が進級・卒業に直結するので、休みが長引く前に「何日まで大丈夫か」を学校に確認しておきます。
相談先の一覧
相談先は一つではありません。役割が違うので、合わなければ別のところに行けばいいです。
学校の中:担任、学年主任、養護教諭(保健室)、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー。スクールカウンセラーは本人だけでなく親も相談できます。
自治体:教育委員会の教育相談窓口、教育支援センター(旧・適応指導教室)。教育支援センターは学校以外の通う場所として使え、通った日を出席扱いにできる場合があります。
医療:身体症状が強い、眠れない、食べられない、といった状態が続くなら小児科・心療内科・児童精神科へ。診断書は学校との交渉でも使えます。
民間:フリースクール、親の会、オンラインの居場所。同じ経験をした親と話せる場は、情報よりも気持ちの面で助けになります。
電話・SNS:24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)など、本人が直接使える窓口もあります。
この先の読み方
最初の1か月にやることは以上です。進路の話はもう少し先で構いません。落ち着いてきたら、学校は無理に行くべきか、中学生の不登校、高校生の不登校のページで、それぞれの段階で何が起きるかを確認してください。
そして、これだけは先に書いておきます。学校に行けなくなった時点で決まることは、思っているよりずっと少ないです。詳しくは不登校になっても人生は終わらないへ。
参考・公式情報
- 不登校の児童生徒等への支援の充実について(通知)(文部科学省):支援の基本的な考え方、学びの場の確保
- 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省):0120-0-78310
- 子供のSOSの相談窓口(文部科学省):電話・SNSで相談できる窓口の一覧
記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。制度の運用は自治体・学校によって異なります。