高認と大学受験はまったく別物だった
高認に受かった日、私は「大学受験も同じ調子でいける」と思っていました。その見込みが崩れるまでに、模試1回分しかかかりませんでした。
このページの要点
- 高認は義務教育レベルの教養を確認する試験で、免除なしでも一発で受かる
- 大学受験は、正しいルートで真面目に勉強してきた人たちとの競争。高認合格は出発点でしかない
- 高認に受かった直後の自分の位置を、模試で早く知ったほうがいい
高認は免除なしで全科目一発合格だった
私は高校を辞めたあと、高認を受けました。高校で修得した単位がなかったので免除は一つもなく、全科目を受験しています。結果は、一回で全科目合格でした。
特別な対策をしたわけではありません。市販の過去問を一通り解いて、分からないところを教科書レベルまで戻って確認した程度です。だから合格したときは、素直に「なんだ、いけるじゃないか」と思いました。学校に行かなくなって数年、勉強から離れていた人間が、少し準備しただけで全科目に通ったのですから。
「数か月で関関同立」と思っていた
その勢いのまま、大学受験も同じ延長線で考えていました。高認がこれだけ楽なら、MARCHや関関同立くらいは数か月勉強すれば受かるだろう。本気でそう思っていました。
今思えば、根拠は何もありません。高認に受かったという事実が、自分の学力を過大評価する材料になっていただけです。ただ、当時の私には、自分の位置を測るものが高認しかなかった。それしか物差しを持っていなかったのです。
初めての駿台模試、偏差値29
受験勉強を始めて、初めて駿台模試を受けました。返ってきた偏差値は29。志望校欄に書いた大学は、どこもE判定かF判定でした。
数字を見たときの感想は、悔しいというより、意味が分からない、に近かったと思います。高認に一発で受かった自分が、なぜここまで下にいるのか。問題を見直して、ようやく理解しました。高認で問われていたことと、模試で問われていることが、そもそも別物だったのです。
高認と大学受験は、別の試験
高認は、義務教育から高校初年級レベルの教養が身についているかを確認する試験です。基準を超えれば全員が合格し、受験者同士で競うことはありません。そして、その基準は高くない。だから簡単に受かります。私が一発で通ったのは、私が優秀だったからではなく、試験がそういう設計だからでした。
大学受験は違います。定員があり、点数の高い順に合格します。競う相手は、全日制高校で3年間、正しいルートで真面目に勉強してきた人たちです。彼らは毎日授業を受け、定期試験を積み重ね、模試を何度も受けて自分の位置を知っています。私はそのどれもやっていませんでした。
「高認に受かった」は「高校3年分の学力がある」ではありません。「高校の勉強を始める資格ができた」に近い。ここを取り違えると、私のように、スタート地点で自分がすでにゴールに近いと錯覚します。
偏差値29は、その錯覚を一回で壊してくれました。きちんと勉強しなければ受からない。当たり前のことを、そこで初めて自覚しました。結果として、あの模試を早い時期に受けたことが、私の受験でいちばん役に立った出来事だったと思っています。
勉強法については、また書きます
偏差値29から、どうやって大学に入ったのか。何を、どの順番で、どれくらいやったのか。それは別の記事で書きます。ここで伝えたかったのは一つだけです。高認に受かっても、大学受験はゼロから始まる。むしろ、ゼロだと分かった時点が本当のスタートです。
高認の仕組みは高卒認定とは、出願の手続きは高認から大学受験する方法にまとめています。