不登校のその後
学校の外から、その先の人生を考える。
大学進学

高認から早稲田大学へ進学するまで

最終更新 2026-08-27 | 体験・私見

高認に受かった私は、模試で偏差値29を取り、高認と大学受験がまったく別の世界だと知りました。そこから早稲田大学に合格するまでに何をしたか。魔法のような勉強法はありませんでした。あったのは、繰り返し覚えることだけです。

この記事は運営メンバーの体験と私見にもとづくものです。制度・税務・投資の判断は一次情報と専門家で確認してください。

このページの要点

  • 高認は誰でも参加できる放課後の少年野球、大学受験は甲子園やプロ野球。構造的に、進学校のエリートと同じ土俵で戦うことになる
  • 暗記系に絞り、忘却曲線を意識した徹底的な反復で覚えた。数学ですら暗記数学である程度乗り切れる。単語帳は何十周もした
  • インプットよりアウトプット。教科書を読むだけでは身につかず、問題を繰り返し解いて覚えた

偏差値29から始まった

高認に全科目一発で合格した私は、そのままの調子で大学受験も何とかなると思っていました。初めて受けた駿台模試の偏差値は29。志望校はすべてE判定かF判定。そこで初めて、高認と大学受験がまったく別の世界だと知りました。この話は『高認と大学受験はまったく別物だった』に書いています。

野球にたとえるなら、高認はリトルリーグどころの易しさではありません。誰でも参加できる、放課後の少年野球です。それに対して大学受験は、甲子園やプロ野球でした。同じ「野球」という名前がついているだけで、参加している人も、求められる水準も、まったく違う。

そして構造的に、大学受験では不登校でなかった人たち、それも本物の進学校で3年間鍛えられてきたエリートと、同じ土俵で戦うことになります。相手は毎日授業を受け、模試を何度も受け、受験のための環境を整えられてきた人たちです。学校に行っていなかった自分が、そこに後から参加する。それが大学受験の実態でした。

それでも私立大学は、狙い目だった

絶望的に聞こえるかもしれませんが、逃げ道はありました。私立大学は定員が多いのです。国公立のように少ない定員を全科目で争うのではなく、私立は科目数が少なく、募集人数が多く、日程も複数ある。学力で圧倒的に負けている状態からでも、戦い方を絞れば届く可能性がある。私はそこに賭けました。

戦い方を絞るとは、具体的には「暗記系に絞る」ということでした。

暗記と反復に、すべてを絞った

受験の要は暗記だと、私は今でも思っています。英単語、古文単語、歴史の用語は当然として、数学ですら「暗記数学」で、ある程度までは乗り切れます。解法のパターンを覚えて、見た瞬間に手が動くようにする。ひらめきで解くのではなく、覚えたものを出す。

やり方は、エビングハウスの忘却曲線を意識した徹底的な反復でした。覚えたものは翌日には半分以上忘れる。だから忘れる前にもう一度触れる。翌日、3日後、1週間後、2週間後。この繰り返しを、覚えるべきもの全部に対してやる。単語帳は何十周もしました。1周目は全然覚えられず、5周目でも半分忘れていて、20周を超えたあたりで、ページをめくる前に次の単語が浮かぶようになりました。

この方法に気づいたきっかけの一つが、歌です。勉強がまったくできない人でも、好きな歌の歌詞は覚えています。英語のフレーズであっても、スラスラ歌えます。ところが同じ人が受験英語になると、まったくできなくなる。なぜか。好きな歌は、特定のフレーズに何百回も触れているからです。能力の差ではなく、触れた回数の差。だったら、受験英語も同じ回数だけ触れればいい。私の勉強法は、突き詰めるとこれだけでした。

インプットではなく、アウトプット

もう一つ意識したのは、読むより解くことです。教科書や参考書を読んでいると、分かった気にはなります。でも、読むだけではたいして身につきませんでした。同じ時間を使うなら、問題を解いて、間違えて、また解く。問題を反復して覚えるほうが、はるかに定着しました。

過去問については、少し注意があります。過去問から出題の傾向を読み取ることはできますが、ある程度の実力がついてからでないと、何が傾向なのか分かりませんでした。偏差値29の時点で過去問を見ても、全部分からないので何も読み取れない。基礎の暗記を一通り終えて、模試の数字が動き始めてから、過去問が意味を持つようになりました。順番があります。

関関同立の試験日、お腹を壊した

早稲田の前に、関関同立も受けました。試験当日、極度の緊張でお腹が痛くなりました。トイレに行こうとしたら、どこも長蛇の列で入れません。受験生は皆、同じ状態なのだと知りました。

結局、英語の試験はほぼトイレで過ごしました。試験時間の大半を、答案ではなく個室で使った。それでも、受かりました。反復で覚えたものは、体調が最悪でも、緊張で頭が回らなくても、出てくる。ひらめきや調子に頼っていたら、あの日は終わっていたと思います。暗記に絞った勉強が、いちばん悪い状況で自分を救ってくれた日でした。

魔法のような勉強法は、存在しなかった

偏差値29から早稲田に受かった、と言うと、何か特別な方法があったように聞こえるかもしれません。ありませんでした。魔法のような受験勉強は存在しない。それでも、繰り返し覚えることだけは、確実に有効でした。

私が早稲田に合格できたのは、才能でも、環境でも、良い塾でもなく、覚えるべきものを、忘れる前にもう一度触れる、を最後まで続けたからです。これは進学校のエリートに勝つ方法ではありません。彼らと同じ土俵に、後から入っていくための方法です。

効率的な勉強法については、いつか別の記事で詳しく書こうと思っています。この記事で伝えたかったのは、不登校から高認、そこから大学受験に向かう人が、最初に知っておくべき現実と、それでも届いたという事実です。

受験の手続きは『高認から大学受験する方法』、入学後の話は『大学入学後に困ること』へ。どの大学を目指すかについては『良い大学を選ばなくてもいい?』にも書いています。