不登校の定義と最新の人数(令和6年度調査)
「不登校」は感情的な言葉に見えて、行政上の定義がある言葉です。まずその範囲と、最新の数字を確かめます。
このページの要点
- 定義: 年間30日以上欠席し、病気・経済的理由以外の何らかの要因で登校しない(できない)状態
- 令和6年度の小中学校の不登校は35万3,970人で過去最多。ただし増加率は2.2%に鈍化し、新規の不登校は9年ぶりに減少
- 1,000人あたり38.6人。中学校では約15人に1人が不登校
定義:年間30日以上の欠席
文部科学省の調査では、「不登校」を次のように定義しています。何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由によるものを除いたもの。
ポイントは3つです。第一に、30日は「年間の合計」で、連続している必要はありません。週1回休みが続けば、1年で30日を超えます。第二に、病気や経済的理由による欠席は別枠で数えられます。第三に、これはあくまで統計上の区分で、本人や家庭に何かのレッテルを貼るものではありません。
「登校しぶり」(行きたくないが登校している)や「別室登校」(保健室や相談室には行っている)は、欠席にならないので、この定義の不登校には入りません。校長が「出席扱い」と認めた日は、統計上は欠席日数に含めたまま集計されています。
人数:令和6年度の数字
文部科学省が2025年10月29日に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果です。
| 不登校の人数 | 前年度 | 1,000人あたり | |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 137,704人 | 130,370人 | 23.0人 |
| 中学校 | 216,266人 | 216,112人 | 67.9人 |
| 小・中学校計 | 353,970人 | 346,482人 | 38.6人 |
| 高等学校 | 67,782人 | 68,770人 | 23.3人 |
小・中学校の合計は35万3,970人で過去最多、12年連続の増加です。ただし増加率は2.2%(前年度15.9%)に下がり、中学校はほぼ横ばい(0.1%増)でした。高校は前年度から減少しています。
もう一つ注目したいのが「新規」の数です。前年度は不登校ではなかった児童生徒が新たに不登校になった人数は15万3,828人で、9年ぶりに減りました。全体の人数が増え続けているのは、新しく不登校になる子が増えているからというより、いったん不登校になった子が翌年も続いている割合(継続率)が小学校で71.7%、中学校で77.1%と高いためです。
どれくらい休んでいるのか
不登校35万人のうち、年間90日以上欠席した子は19万1,958人(54.2%)で、半数を超えます。中学校に限ると60.7%です。一方で、その中でも「出席日数が11日以上ある」子が大半で、まったく登校していない(出席0日)子は1万856人(3.1%)です。
つまり「不登校」と一口に言っても、週に何日か行っている子から、1年間一度も行っていない子まで幅があり、統計上は同じ枠に入っています。
相談・支援を受けているか
不登校の児童生徒のうち、学校内外の専門的な機関(スクールカウンセラー、教育支援センター、医療機関、民間施設など)で相談や指導を受けた子は21万8,246人(61.7%)でした。裏返すと13万5,724人(38.3%)は専門的な相談を受けていません。ただし、そのうち89.0%は担任などから週1回程度以上の継続的な関わりを受けており、誰からも相談・指導を受けていない子は全体の4.2%でした。
学校外の機関で相談・指導を受けて「出席扱い」になった子は4万2,978人、自宅でのICT等を活用した学習で出席扱いになった子は1万3,261人です。この制度の条件は出席扱いになる条件とはで説明しています。
学校側が把握している背景
調査では、不登校の児童生徒について学校が把握した事実を複数回答で集計しています。小・中学校で多かったのは「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」(30.1%)、「生活リズムの不調に関する相談があった」(25.0%)、「不安・抑うつの相談があった」(24.3%)です。いじめ被害の情報・相談があったのは1.4%でした。
これは学校が把握した範囲の数字で、本人が感じている理由とは別のものです。原因を一つに特定できないことが多い、という前提で読んでください。
数字をどう受け取るか
中学校では1,000人あたり67.9人、およそ15人に1人が不登校です。1クラスに2人前後いる計算になります。学校に行けなくなった当初は「自分だけ」と感じやすいのですが、数の上では珍しい状態ではなくなっています。
不登校になった直後に何をするかは不登校になったあと、まず何をする?へ。この先の進路の全体像は不登校になっても人生は終わらないで扱います。
参考・公式情報
- 令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(通知)(文部科学省)
- 同調査結果の概要(不登校抜粋版・PDF)(文部科学省):本記事の数字の出典
- 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省):年度ごとの結果一覧
数字は令和6年度(2024年度)調査の公表値です。次回(令和7年度分)は2026年秋に公表される見込みで、公表後に更新します。