不登校のその後
学校の外から、その先の人生を考える。
不登校になったら

出席扱いになる条件とは

最終更新 2026-08-27

不登校でも、学校の外での学習や相談を「出席」として扱ってもらえる制度があります。ただし、自動ではありません。要件があり、最終的には校長が判断します。

このページの要点

  • 出席扱いには2つのルートがある。学校外の機関(教育支援センター・フリースクール等)に通う場合と、自宅でICT等を使って学習する場合
  • どちらも義務教育段階が対象で、保護者と学校の連携、対面での指導、計画的な学習が前提
  • 判断するのは在籍校の校長。基準は自治体・学校ごとに違うので、早めに学校に相談する

「出席扱い」とは何か

不登校の子が学校に行かなくても、一定の要件を満たす学習や相談を受けていれば、校長の判断で指導要録(学校が保管する公式記録)の上で「出席」として扱える制度です。文部科学省の通知にもとづくもので、対象は小学校・中学校などの義務教育段階です。

何が変わるかというと、まず記録上の欠席日数が減ります。中学校の卒業には直接影響しませんが、高校受験で調査書(内申書)に欠席日数が載る場合に効いてきます。また、その学習の成果を成績評価に反映してもらえる場合があります。そして本人にとっては、「学校の外でやっていることが認められた」という意味を持ちます。

ただし、自動的に出席になるわけではありません。要件があり、最終的な判断は在籍校の校長がします。文部科学省は全国一律の基準を示しておらず、学校や教育委員会がそれぞれ基準を作ることになっています。

ルート1:学校外の機関に通う場合

教育支援センター(自治体が設置。旧・適応指導教室)、フリースクールなどの民間施設、医療機関、児童相談所などで相談・指導を受けている場合です。令和6年度には、このルートで出席扱いになった子が全国で4万2,978人いました。

通知が挙げている要件は、おおむね次のとおりです。

  • 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること
  • その施設での相談・指導が、本人の社会的な自立を助ける上で適切であると校長が判断すること
  • 民間施設の場合は、文部科学省の「民間施設についてのガイドライン」を参考に、適切かどうかを判断すること
  • 学校が、訪問などによって本人の状況を把握していること

教育支援センターは自治体の施設なので、出席扱いになるケースが多いです。フリースクールは施設によって差があり、学校とどれくらい連絡を取り合っているかで変わります。通う前に「この施設に通った場合、出席扱いになりますか」と学校に聞いておくと確実です。

ルート2:自宅でICT等を使って学習する場合

オンライン教材、タブレット学習、在籍校の授業配信、通信教育、郵送のプリントなどを使って自宅で学習する場合です。令和6年度に出席扱いになった子は1万3,261人で、年々増えています。

こちらは要件が細かく決まっています。文部科学省の通知では、次の7つを挙げています。

  1. 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること
  2. ICT(コンピュータやインターネット、遠隔教育システムなど)や郵送、FAXなどを活用した学習活動であること
  3. 訪問などによる対面指導が、定期的・継続的に行われること
  4. 本人の理解の程度を踏まえた、計画的な学習プログラムであること
  5. 校長が、対面指導や学習の状況を定期的な報告などで十分に把握していること
  6. 基本的に、学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合の学習であること
  7. 成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らして適切と判断できること

要するに、「家で教材をやっているだけ」では足りません。誰かが定期的に会いに来て(教員、スクールカウンセラー、教育支援センターの職員など)、学習の計画があり、学校がその様子を把握している、という形が必要です。通知は、出席扱いにならなかった例として「家庭の協力が得られず状況を確認できなかった」「無料のネット教材で学習のねらいや内容が不明確だった」を挙げています。

申請の流れ

決まった申請書式は全国共通ではありません。一般的には次のような流れになります。

  • 担任に「出席扱いの制度を使いたい」と伝える。学校側が制度を把握していないこともあるので、文部科学省の通知名を添えると話が早い
  • 使う教材・施設と、学習の計画(何を、どのくらい)を学校に示す
  • 対面指導を誰がどの頻度で行うかを決める
  • 学習の記録(教材の履歴、施設からの報告など)を学校に定期的に提出する
  • 校長が判断し、出席扱いの日数の数え方(学習時間や対面指導の日数を基準にするなど)は学校・教育委員会の規程による

自治体によっては、教育委員会が申請書のひな形や基準を公開しています。「(自治体名) 不登校 出席扱い」で検索すると見つかることがあります。

知っておきたいこと

高校は対象外。この通知は義務教育段階のものです。高校は学校ごとの規則で出欠が決まり、出席日数が足りなければ進級できません。高校生の場合は高校生の不登校を参照してください。

出席扱いの目的は「戻す」ことだけではない。通知では、本人が今登校を希望しているかどうかにかかわらず、将来登校したくなった時に戻りやすくすること、そして社会的な自立を助けることを目的にしています。一方で、出席扱いによって不登校が必要以上に長引かないように留意する、とも書かれています。

統計上は欠席のまま。文部科学省の不登校の統計では、校長が出席扱いにした日も欠席日数に含めて集計しています。出席扱いは指導要録の上の話であって、「不登校ではなくなる」わけではありません。

参考・公式情報

記載内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。運用の細部は自治体・学校によって異なります。