通信制高校の学費、実際いくらかかる?(公立・私立・サポート校の目安)
通信制高校の学費は、公立なら年数万円、私立なら数十万円、サポート校を付けると100万円近くまで幅があります。2026年度からは就学支援金の所得制限がなくなり、私立でも授業料の大部分が支援の対象になりました。
このページの要点
- 公立通信制は年間2〜5万円程度。授業料は就学支援金でほぼ無料になる
- 私立通信制は授業料(1単位7,000〜12,000円前後)が就学支援金でほぼ相殺されるが、入学金・施設費・教材費・スクーリング費などが年10〜30万円程度残る
- サポート校の費用(年30〜100万円)は就学支援金の対象外。通信制高校の学費と別に丸ごとかかる
先に結論:3つのパターンで年間いくらか
| 年間の目安(就学支援金適用後) | 主な内訳 | |
|---|---|---|
| 公立通信制 | 2〜5万円 | 入学料、教科書・教材、スクーリング交通費。授業料はほぼ無料 |
| 私立通信制(本校のみ) | 10〜30万円 | 入学金、施設費、教材費、スクーリング費。授業料は支援金でほぼ相殺 |
| 私立通信制+サポート校 | 40〜100万円以上 | 上に加えてサポート校の学費(支援金対象外) |
学費の話をするとき、まず分けて考えたいのが「通信制高校そのものの学費」と「サポート校の学費」です。この2つはまったく別の請求で、後者には国の支援がありません。ここを混同すると、見積もりが数十万円単位でずれます。
公立通信制:授業料はほぼゼロ
公立の通信制高校は、授業料が1単位あたり数百円(多くは300円台)で、就学支援金で全額が支援されます。入学料も数百円程度です。実際にかかるのは、教科書・学習書代、レポートの郵送費、スクーリングに通う交通費くらいで、年間2〜5万円程度に収まることが多いです。
費用の面では圧倒的に安い一方、公立は都道府県ごとに1〜数校しかなく、スクーリングの会場が遠い、登校日が土日や特定曜日に限られる、教員による個別のフォローは手厚くない、といった面があります。自分でレポートを進められる人には、これで十分という選択になります。
私立通信制:授業料は支援でほぼ相殺、残るのは授業料以外
私立通信制高校の授業料は、1単位あたり7,000〜12,000円前後が多く、年間25単位前後を履修すると20〜30万円になります。ここに就学支援金が入ります。
2026年度(令和8年度)から就学支援金の所得制限がなくなり、世帯年収にかかわらず、私立通信制の単位制では1単位あたり13,668円を上限に、年間30単位・通算74単位まで支給されます(実際の授業料が上限です)。つまり、1単位12,000円以下の学校なら、授業料は実質無料になります。それまでは世帯年収590万円前後で支給額が段階的に変わっていたので、この変更は私立通信制を考える家庭には大きな話です。
ただし、就学支援金の対象は「授業料」だけです。私立通信制には、それ以外に次のような費用があります。
- 入学金(数万円〜10万円程度)
- 施設設備費・教育充実費(年数万円〜10万円台)
- 教材費、タブレットやシステム利用料
- スクーリング費(集中スクーリング型なら宿泊・交通費を含めて数万円)
- 登校型や専門コースを選んだ場合のコース費(年数十万円になることも)
これらを足すと、本校のみで年間10〜30万円程度が目安です。登校日数が多いコースや専門コースを選ぶと、上にはみ出します。
サポート校:ここが一番大きい
サポート校は、通信制高校の学習を補助する民間の教育機関で、法律上の学校ではありません。通信制高校に在籍しながら(二重学籍)、レポート作成の指導、登校できる場所、進路相談などを受けます。
費用は年間30万円から100万円を超えるところまで幅があり、週5日通うタイプは高くなります。そして、この費用は就学支援金の対象外です。通信制高校の授業料が無料になっても、サポート校の学費はそのままかかります。
「通信制高校(授業料はほぼ無料)+サポート校(年60万円)」という組み合わせが、実際には最も多い見積もりです。サポート校が必要かどうかは、本人が一人でレポートを進められるか、通う場所がほしいかで決まります。最初は本校のみで始めて、必要になったら付ける、という順序もあります。
自治体の上乗せと、その他の支援
東京都や大阪府など、国の就学支援金に上乗せして私立の授業料を助成する自治体があります。対象は在住者で、条件は自治体ごとに違うので、「(都道府県名) 私立高校 授業料 助成」で確認してください。
授業料以外の費用(教科書・教材・通学用品など)については、一定の所得以下の世帯向けに「高校生等奨学給付金」があります。こちらは返還不要で、都道府県または学校に申請します。
就学支援金は、通常は入学後に学校を通じてオンライン(e-Shien)で申請します。支給決定までは授業料を先に納めて後から還付される学校もあるので、初年度の資金繰りは学校に確認しておくと安心です。
見積もりの取り方
パンフレットの「学費」欄は授業料だけを大きく書いていることがあります。比べるときは、次の項目を全部埋めた年間総額で比べてください。
- 入学金・施設費などの初年度費用
- 授業料(履修単位数×単価)と、そこから引かれる就学支援金
- スクーリング費(回数、場所、宿泊の有無)
- コース費・オプション費
- サポート校を付ける場合はその学費
この総額を、3年分(転入なら残りの年数分)で見ると、学校ごとの差がはっきり出ます。学校選びの落とし穴は通信制高校の選び方で失敗しやすいポイント、通信制の仕組みそのものは通信制高校とはへ。高認との費用比較は通信制高校 vs 高認にあります。
参考・公式情報
- 高校生等への修学支援(文部科学省):就学支援金・新制度(令和8年4月施行)のリーフレットと申請手続き
- 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A(文部科学省):転入・編入時の扱い、支給期間など
金額は2026年8月時点の目安です。就学支援金の単価・上限は年度ごとに、学費は学校ごとに異なるため、必ず各校の募集要項と文部科学省の最新情報で確認してください。