通信制高校の選び方で失敗しやすいポイント
通信制高校は学校ごとの差が大きく、「通信制だから」でひとくくりにできません。選ぶときにつまずきやすいポイントを、順に挙げます。
このページの要点
- 「毎日通えるコース」を選んで通えなくなる失敗が一番多い。今の状態で無理なく続く登校頻度から始める
- 費用は授業料だけでなく、サポート校・コース費・スクーリング費を合計した総額で比べる
- パンフレットの進路実績より、卒業率と「卒業後に何をしているか」を聞く。必ず見学し、在校生の様子を見る
1. 「毎日通えるコース」を選んで、通えなくなる
いちばん多い失敗です。全日制で通えなくなった直後に、「次は頑張る」という気持ちで週5日登校のコースを選ぶ。数か月で通えなくなり、また「行けなかった」という経験が一つ増える。
通信制高校の良さは、登校日数を自分の状態に合わせて選べることです。今の状態で無理なく続く頻度から始めて、余裕が出てきたら増やす。逆は難しくても、この順序ならたいてい変えられます。登校日数を後から変更できるか、変更にお金がかかるかは、入学前に確認しておいてください。
2. スクーリング会場が遠い
通信制高校には、必ず一定日数の登校(スクーリング)があります。広域通信制の場合、本校が遠方にあり、スクーリングは年に数日の集中型で宿泊を伴う、という学校も少なくありません。
普段はオンラインで完結していても、この数日が本人にとって大きな壁になることがあります。会場がどこか、日程がいつか、宿泊があるか、代替の会場や日程があるか。ここは入学前に具体的に聞いてください。「近くのキャンパスに通える」と書いてあっても、そのキャンパスがサポート校で、スクーリングは別の本校だった、という話はよくあります。
3. サポート校と通信制高校の関係が分かっていない
「〇〇高等学院」「〇〇キャンパス」と名乗っている施設の多くはサポート校で、法律上の高校ではありません。高卒資格を出すのは、提携している通信制高校のほうです。
ここを理解しないまま契約すると、二つの問題が起きます。一つは費用で、サポート校の学費は就学支援金の対象外です。もう一つは手続きで、通信制高校のレポートや試験はあくまで本校のもので、サポート校はその補助です。「サポート校に通っていたのに単位が取れていなかった」というのは、この関係を誰も説明していなかったときに起きます。
説明会で「高卒資格を出す学校はどこですか」と一言聞くだけで、この構造は見えます。
4. 費用を授業料だけで比べている
パンフレットの学費欄は、授業料だけを大きく書いていることがあります。実際には入学金、施設費、教材費、スクーリング費、コース費、サポート校の学費が別にかかります。授業料が安く見えた学校が、総額では一番高かった、ということは珍しくありません。
年間の総額を、同じ項目で埋めた表にして比べてください。項目の一覧は通信制高校の学費、実際いくらかかる?にあります。
5. 進路実績の「合格者数」だけを見ている
「難関大学に〇名合格」は、その学校の在籍者数や卒業率を知らないと意味が読めません。数千人規模の広域通信制なら、数十名の合格者がいても不思議ではありませんし、その数十名が登校型の特進コース(費用も別)に集中していることもあります。
見るべきなのは、卒業率(入学した人のうち何割が卒業しているか)と、卒業生の進路の内訳です。大学、専門学校、就職、そして「進路未定」がどれくらいか。ここを聞いて答えが濁る学校は、少し慎重に考えたほうがいいです。
6. 転入の時期と単位の引き継ぎを確認していない
今の高校を辞めて通信制に移る場合、「転入」(在籍したまま移る)なら修得済みの単位と在籍期間を引き継げますが、「編入」(いったん退学してから入る)だと受け入れ時期が限られたり、扱いが変わったりします。また、単位は年度末や学期末に認定されるので、移る時期によっては今の学校で取りかけていた単位が残りません。
通信制側には「いつでも転入可」と書いてあっても、今の学校側の単位認定のタイミングと合わせないと損をします。辞める前に確認することは高校を辞める前に確認しておく3つのことにまとめました。
7. 見学せずに決めている
不登校の状態だと、学校を見に行くこと自体が負担で、パンフレットとウェブサイトだけで決めたくなります。ただ、通信制高校ほど、実際の空気と紙の情報が違う学校はありません。
キャンパスに何人くらいいて、どんな雰囲気で、先生は生徒とどう話しているか。本人が行けないなら、まず親だけでも見に行く。オンラインの個別相談でも、担当者の受け答えでかなり分かります。「入学を急かすかどうか」は、良い判断材料です。
選ぶときの順序
まとめると、次の順で決めると失敗が減ります。
- 今の状態で続けられる登校頻度を決める(多めに見積もらない)
- その頻度で通える範囲にある学校を、本校とサポート校を区別して並べる
- スクーリングの場所・日程を確認する
- 年間総額を同じ項目で比べる
- 卒業率と進路の内訳を聞く
- 転入の時期と単位の扱いを、今の学校と通信制の両方に確認する
- 見学、または個別相談をしてから決める
通信制の仕組みは通信制高校とは、全日制との違いは通信制高校と全日制高校の違いへ。高認と迷っている場合は通信制高校 vs 高認も参考にしてください。