不登校のその後
学校の外から、その先の人生を考える。
不登校になったら

不登校支援サービスを選ぶときの注意点

最終更新 体験・私見

不登校の親は不安で、急いでいて、藁にもすがりたい状態です。その状態で支援サービスを選ぶと、判断を誤りやすい。お金を払う前に確認してほしいことを、当事者だった人間の目でまとめます。

本記事は筆者の体験と見解です。進路の判断は、本人の状態や学校・支援機関の最新情報と合わせてご検討ください。

このページの要点

  • 「受験に成功した」「再登校させた人数」という実績は、その人・その子の話。あなたの子どもの保証にはならない
  • 確認するのは、経歴を具体的に語れるか/「克服」「必ず」を約束しないか/料金と内容が釣り合うか/不安を煽らないか/公的窓口を否定しないか
  • 制度と一次情報は無料で手に入る。払う前に、無料で分かることを確かめる

選ぶ前に、知っておいてほしいこと

不登校の子どもや親を対象にしたサービスは、たくさんあります。再登校支援、カウンセリング、オンラインの居場所、親向けの講座、フリースクール、塾。誠実に運営されているものも多くあります。一方で、不登校の親は不安で、急いでいて、藁にもすがりたい状態です。その状態でサービスを選ぶと、判断を誤りやすい。

私自身、当事者として不登校を扱う配信を見に行き、議論ではなく感情で押し返された経験があります。言い方が悪かった可能性もあるので、相手を責める気はありません。ただ、そのとき思ったのは、不登校の子は大人の感情の揺れにとても敏感だ、ということです。お金を払って関わる相手が、冷静に話ができる人かどうか。それを最初に見てほしい、というのがこの記事の出発点です。

「実績」の中身を確かめる

不登校支援でよく掲げられる実績は、「自分は不登校から大学受験に成功した」か、「何人の子どもを再登校させた」の、どちらかです。どちらも否定はしません。ただ、その人が受験に成功したのはその人の話で、再登校した子の話はその子の話です。あなたの子どもに同じことが起きる保証にはなりません。

特に「再登校させた人数」だけを実績として掲げている場合は、戻らなかった子をどう捉えているかを聞いてみてください。このサイトでは、再登校だけが正解ではないと考えています(『再登校よりも、入学で世界を変えよう』)。戻ること以外の進路まで一緒に考えてくれるかどうかで、サービスの中身はかなり変わります。

選ぶときの確認リスト

私が不登校の子の親として選ぶなら、次の点を見ます。

運営者の経歴を、具体的に語れるか。「不登校を経験しました」で止まる人と、「いつ、どうなって、その後どの道を通って、今何をしているか」を語れる人は違います。後者は、成功も失敗も含めて話せます。

「克服」「解決」「必ず」を約束していないか。不登校に、誰にでも効く解決法はありません。それを約束する言葉が並んでいたら、慎重になってください。

実績が「再登校させた人数」だけではないか。その後の進路(高校、高認、大学、就職)まで追っているサービスは、話の深さが違います。

料金と、提供されるものが釣り合っているか。高額な前払い、何をしてくれるのかが曖昧な講座、「まず親が変わりましょう」という話だけで費用がかかる仕組み。お金の流れと内容を、契約前に書面で確認してください。

不安を煽って契約を急がせないか。「今動かないと手遅れになる」「お母さんのせいですよ」。不安で決めさせようとする相手は、子どもにも同じことをする可能性があります。制度と選択肢を冷静に説明してくれる人を選んでください。

公的な窓口や制度を否定していないか。学校、スクールカウンセラー、教育支援センター、医療機関。これらを「役に立たない」と切り捨てて自分のサービスだけを勧める相手は、避けたほうが安全です。

制度と一次情報は、無料で手に入る

不登校の子の進路に必要な情報の大部分は、お金を払わなくても手に入ります。文部科学省、自治体の教育相談、学校のスクールカウンセラー、そして高認や通信制の公式情報。このサイトも、制度の説明は一次情報をもとに書き、体験は体験として分けて書いています(『不登校になったらまず何をする?』『高卒認定とは』『通信制高校の学費、実際いくらかかる?』)。

お金を払う前に、無料で分かることを確かめてください。それでも足りないものがあるなら、そのとき初めて、上のリストで相手を選んでください。このサイトを一緒に作っている塾長も塾を経営していますが、同じ基準で見てもらって構いません。